ばぶ
ひとりでいるのが好きだ。
ひとりでも楽しいし、なんでもできる。
そう思ってたけど、案外そんなことないのかもって今、本当に今ふと感じた。
失恋して、友人の一人にも呆れられて、自分で勝手に居場所をなくした。そうなったってわたしは生きてるし、時間は進んでいるし、何かは変わったけど大きく変わることなんてないと思っていた。
でも、部屋にひとりでいるとき。
やっぱりルーティーンのようにほぼ毎日集まってたことや楽しかったことを思い出すし、同時にいやだったことも思い出してしまうし、それらを共有してた人はもういないんだって自覚する。わたしが壊してしまったのに。
「あ、これ好きそうだな」って思ったら話したいし、「この前の見た?」って話しかけたいけどそれももうできなくて、胸の中にしまい込んでぱたんと蓋をしておわる。
ひとりでいるの、思ったよりも別に好きじゃなかったな。ひとりでいて楽しかったときってなにしてたんだろ。
結局わたしは人に寄りかかっていたんだなーと思う。赤ちゃんが手をひかれて歩いてたみたいだったんだ。手をはなされたら怖くなって、ひとりで部屋に残されたら他の人はどこいっちゃったんだろう、自分をおいてなにしてるんだろうって不安でどうしようもなくて。
だけどひとりだってことは本当なら自由だ。
わたしは別の部屋に行ってしまった人のことは今は待っていないで、ハイパーハイハイをして楽しんだり、おもちゃで遊んだり、ティッシュを箱から全部出したり、好きなだけ泣いたりクソデカわがまま赤ちゃんとして過ごしとけばいいんだ。
なにをしていいかわからない抜け殻みたいな自分がいやで、でもぼんやりすることしかできなくて、ひとりっていやだな置いていかないでよって思っていた。でもどうせひとりなら、さみしいならさみしいでいいから、無意味なことでも意味あることでもなんでもやってみよって思った。
でもとりあえず今はなにも思いつかないからばぶばぶ言っとくか。ばぶ。